投資の世界では様々な専門用語が使われています。
ここでは、「有価証券」について概要を説明します。
有価証券(ゆうかしょうけん)とは?
有価証券とは、それ自体に財産的な価値をもつことを証明するもののことを指します。
有価証券は証券そのものに価値があり、売買やその権利を譲渡することが可能です。
会社の利益の一部を受け取ったり経営に参画する権利を示す「株式(株券)」や、証券に記された金額を請求する権利を示す「小切手」などがあり、他にも手形や債券なども有価証券のひとつです。
有価証券の種類
有価証券の種類として、「貨幣証券」、「物財証券」及び「資本証券」の3つに大きく分けることができます。
貨幣証券
貨幣証券とは、小切手や手形(約束手形、為替手形)など、証券と引き換えに記された金額を請求することができる証券です。金銭の支払いを請求する権利を示すものであり、企業同士の取り引きなどで手形や小切手などがよく使われています。
小切手とは?
小切手は企業同士の取り引きなどで多額の金額のやり取りをする際に用いられます。
直接現金を持ち運ぶ必要がなく、また現金を数え間違えることもないので小切手が活用されるのです。
小切手を発行するためには信用決済取り引きが可能な「当座預金口座」が必要であり、銀行などの金融機関で所定の審査が行われ、財務状況が安定している企業でないと開設することができません。
小切手には金額の他に署名などを記入し、日付を指定して記された金額をやり取りすることが可能であり、企業同士の取り引きをスムーズに行うことができます。
約束手形とは?
約束手形とは、指定した期日までに記された金額を支払うことを約束するための証券です。
金額を受け取る側は支払期日に金融機関に約束手形を持っていくことで換金することができ、小切手と同様に企業間の取り引きをスムーズに行うことが可能です。
為替手形とは?
為替手形とは、企業同士の1対1ではなく3社間の取り引きをスムーズに行うための証券です。
A社がB社に為替手形を発行していれば、A社がC社に支払う金額をB社からC社に支払うことが可能であり、3社間の支払いを1度で済ませることが可能です。
為替手形の発行においても、信用決済取り引きが可能な「当座預金口座」が必要となります。
物財証券
物価証券とは、様々な財やサービスを受け取る権利を示す証券です。
デパートなどで使用したことがある方もいるかもしれませんが、商品券も物価証券の1つです。
他にも船荷証券や倉庫証券などが存在します。
資本証券
資本証券とは、株式(株券)、債券や投資信託を購入した投資家の権利(受益権)を示す証券です。
投資信託などの投資をされる方にとっては、有価証券=資本証券といってもよいでしょう。
資本証券についてもっと詳しく!
資本証券は、大きく株式(株券)、債券及び投資信託の3つの資本証券のことを指します。
株式(株券)
株式(株券)を発行するのは企業となります。
企業が資金を調達するために株式(株券)を発行します。
株式(株券)で得られる権利は、株式(株券)を売買する権利、株主総会における議決(意思決定)に関する権利及び分配金を請求する権利などがあります。
債券
債券を発行するのは企業、地方自治体もしくは国となります。
株式(株券)と同様に資金調達が主な発行の理由です。
債券で得られる権利は、債券を売買する権利及び償還金(しょうかんきん)を請求する権利などがあります。
投資信託
投資信託を発行するのは投資信託委託会社となります。
同じく資金調達が主な発行理由です。
投資信託で得られる権利は、投資信託を売買する権利、分配金を請求する権利及び償還金を請求する権利などとなります。
投資の基本について学ぶ!有価証券とは?-まとめ-
有価証券には、貨幣証券、物財証券及び資本証券の大きく3つが存在します。
投資信託など、投資をする場合ですと、有価証券=資本証券となります。
証券はそれ自体に何らかの財産的価値があり、売買するなどの利益を持っている証となります。
株式(株券)や債券、投資信託をまとめて有価証券と表現していることも多いので、有価証券とはそれらを示していることを認識しておくと投資に関する理解も深まるかもしれません。
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